Column Detail 成年後見人制度の流れとその費用とは?
2025/05/19
今週末の24日(土)・25日(日)は相生ペーロン祭りが開催されます。
メインイベントのペーロン船を豪快に力漕させる「ペーロン競漕」は、長崎県出身の播磨造船所従業員によって伝えられてから2022年で100年を迎えたそうです。
24日に開催される前夜祭の「海上花火大会」では5,000発の花火が打ち上げられるそうで、毎年たくさんの方が来場する有名なお祭りです。
姫路を含めてこれからイベントが盛りだくさんなので、楽しみなシーズンになってきますね!
さて前回の記事にて、認知症の親が名義人の不動産を売却する場合には、成年後見人制度を利用し家庭裁判所の許可が必要であることをお話ししました。
今回は成年後見人制度を利用する流れとおおまかな費用(おおよその金額)をお話しできればと思います。
成年後見制度とは?
成年後見制度とは、認知症などで判断能力が不十分な方に対し、財産管理や契約などを代わりに行う「成年後見人」を家庭裁判所が選任する制度です。
不動産の売却など、大きな契約行為をするには法律上の「意思能力」が必要ですが、認知症の方にはそれが認められない場合があります。そんなときに成年後見人が選ばれることで、代わりに手続きを進めることができます。
利用の流れ(手順)
以下が、成年後見制度を利用して不動産売却を行うためのおおまかな手順です。
① 家庭裁判所に申し立て
まずは、家庭裁判所に「成年後見開始の申立て」を行います。申立てができるのは、配偶者・子どもなどの親族や市区町村の長です。
【必要な書類例】
・申立書
・本人の戸籍謄本・住民票
・医師の診断書(成年後見用の書式が必要)
・財産目録(預金、不動産の情報など)
・親族関係図 など
② 医師による診断
裁判所に提出する診断書には、本人の認知症の程度や判断能力の状況が詳しく記載されます。
これに基づいて裁判所が後見人が必要かどうかを判断します。
③ 家庭裁判所による審理と後見人の選任
書類の審査と場合によっては家庭裁判所での面談を経て、後見人が選ばれます。
申立てから後見人が選ばれるまでには1〜2か月ほどかかるのが一般的です。
④ 不動産売却の許可申請
後見人が選ばれた後、不動産を売却するには「家庭裁判所の許可」が必要です。
これは本人の大事な資産を処分する行為にあたるため、売却の理由や価格、資金の使い道などが厳しくチェックされます。
この許可が下りれば、正式に売却活動を始めることができます。
気になる費用は?
成年後見制度の利用には、いくつかの費用がかかります。
・申立時の費用(印紙・郵送・登記など)
→約5,000〜10,000円
・診断書作成費用
→約10,000〜30,000円(病院により異なる)
・専門家(司法書士・弁護士など)に依頼する場合の報酬
→約100,000〜200,000円
・後見人が専門職の場合の報酬(月額)
→約20,000〜50,000円程度(財産額による)
※家族が後見人になる場合は、報酬は不要なケースもあります。
まとめ
認知症の親名義の家を売却するには、
1.成年後見制度を利用して「成年後見人」を立てる
2.家庭裁判所に申し立てをし、診断書や書類を準備
3.後見人が選任された後、不動産売却にはさらに裁判所の許可が必要
4.手続きには時間と一定の費用がかかるが、安全かつ法的に正しい方法
という流れになります。
不動産を売却するにはさまざまな法律的配慮が必要ですが、早めに動き出せばトラブルを防ぐことができます。
当社では司法書士や専門家とも連携し、お客様の状況に応じたサポートを行っております。
また姫路市には「成年後見支援センター」があります。
<姫路市の成年後見の相談窓口>
【姫路市成年後見支援センター】
所在地:姫路市安田3丁目1番地 姫路市総合福祉会館2階
TEL:079-262-9000
「何から始めればいいかわからない…」という方も、どうぞお気軽にご相談ください。